漢検準1級や1級の配当漢字を勉強している方は、経験があるかもしれませんが、準1級以上の問題集に掲載されている漢字は、辞書に載っておらず、日常生活で目にしないものが多いです。
表外漢字・国字といった新出漢字をはじめとして、毎日のように難解漢字の暗記作業を続けていると、2級以前に登場した常用漢字を忘れてしまっていることに気付く場面が多々あります。
例えば、常用漢字を見たとしても、「単純に読むと不正解になるに違いない」という、準1級以上の勉強を重ねている者特有の固定観念や先入観、わざと深読みしようとしてしまうクセから、素直に読めなくなっていることに気付きます。
私が合格した2006年第1回試験において、予想していなかた新出問題が登場しました。
現在にも出題が続いている問題4です。
次の各組の二文に共通する漢字の読みを、常用漢字一字で記せ。
といった問題です。
常用漢字から離れていた私の脳では、簡単なはずの漢字変換ができずに、2問(4点)も間違えていました。
たった4点と思われるかもしれませんが、160点以上を獲得しなければ受からない漢検準1級以上において、4点のマイナスは痛いのです。
2回目に「あと1点」で不合格になった経験をしている私だからこそ、強調します。
準1級に常用漢字が出題範囲に入っている点からして、侮ってはいけません。
そして、試験だけではなくて日常生活では、常用漢字を使いこなせることを求められているので、準1級以上を勉強してしまうことで、すっかり忘れてしまっていては、本末転倒になります。
漢検準1級を受検するにあたって、配当漢字をマスターすると同時に、日常的に読書や新聞を読むことによって、常用漢字に慣れておくことが大切です。
両漢字とも使いこなせれば、合格率の多寡に問わず、本試験に対応できるでしょう。