本試験会場は、新宿一等地の高層ビルで行われました。
 

面接講座の教官から、「試験は審査員の前だけで行われるものではなく、受付での挨拶、受け答えや、控室での態度も気を抜かずに臨むように」と教わっていたので、会場に入ってからはいつどこで見られていても大丈夫な態度で臨みました。
 

受付後に渡される面接番号シールを左胸につけるのですが、面接講座で講師から、「位置が曲がっていないように」とアドバイスを受けていたので、慎重に貼りました。
このような些細に思えるような点も、チェックされるようです。

待合室には、受検生が100人くらいいましたが、男性は私を含めて3人くらいしかいませんでした。
そして、面接講座に参加していたメンバーは一人も見当たりませんでした。
 
準1級の面接試験は、「あいさつ」「報告」「状況対応」の3つの課題があります。

試験開始の4分前になると、係員から報告の課題を渡されました。
面接室に入室する前の2分間で課題を提示され、それを読む時間を与えられます。

課題文は以下の通りでした。

 明治時代の日本酒が、カップ酒で再現された。
 当時は樽詰めで、木の香りがあったので、
 杉の香りを付けてあるという。


 上記の内容を、審査員に報告してください。

もちろん、事前の面接講座でも耳がタコになるほどアドバイスを受けましたが、単にその課題を丸暗記して、棒読みしても合格点には結びつけません。

いかに話し言葉に直して、上司に報告するようなスタンスで臨むのがポイントになります。
そして、報告する時の立ち居振る舞い、姿勢なども審査対象に入っているのです。

たった2分間の中で、秘書検モードに課題文を咀嚼して入室しました。

審査員は50~60代くらいのエレガントな女性の方々でした。
面接講座でお世話になった講師の姿はありません。

お三方がリラックスさせるためかゴージャスな笑顔で出迎えてくれましたが、
それが不気味なほどさわやかで、印象に残っています。
(もっとも私の反応も、審査対象に入っていたのかもしれませんが)


 
3人1組で、1人ずつ臨むのですが、私は運よくトップバッターだったので、平常心を努めて受けました。
もしも3人目だったら、前の2人の試験スタイルを間近に見ることで萎縮してしまい、本来の自分を出せなかったかもしれません。


はじめの挨拶はイメージ通りにいきましたが、2番目の報告時に頭が真っ白になってしまい、言葉を詰まらせてしまいました。すぐさま平然を繕ってフォローしましたが、審査員達は見逃さずに、笑顔のまま 思いっきり手を動かして審査用紙に何かチェックしていました。減点されていたのかもしれません。

3番目の課題は、パネルに指示された内容に従って、2問連続で、状況に合った対応をします。


課題文は以下の通りでした。
 

 1.児島部長の秘書をしている田淵と言う。
   明日、私から連絡させてもらう。前傾姿勢で言う

 2.児島部長は、取材には応じられないと言っている。
   本当にすまない。 お辞儀をする


 

この問題のロールプレイは、自分でも上手く言ったという感想を覚えています。

最後に、審査員から「ロールプレイングアドバイスシート」をもらいました。

約5分間の流れで全問を終えて、退出時には、面接講座で授かった最終奥義の“満面の笑み”で、「ありがとうございました」と、深々とお辞儀をして会場を後にしました。

このお辞儀をした後に試験官達と眼が合うわけですが、100万$の笑顔で締めくくりました。

面接講座の講師いわく、このダブル笑顔によって、審査員達に、「合格をお願いします」という念が伝わるらしいのです。

面接講座を受講していたも
のの、本試験では本来の自分を最大限に発揮することはできませんでした。
 


アドバイスシートを見ると、「不合格になるかもしれない」という不安が俄かに芽生えました。

シートの裏面に「合否には関係ありません」と太字で書いてありましたが、家に帰った後にネットで合格・不合格した人の声を集めていると、「VVを受けると、不合格になる」という説がかなりあったからです。


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態度振る舞いの「慣れが必要(こなれていない)」にVVがあり、
話し方の「落ち着いた感じが必要に」Vがありました。

 ※ Vは、ここに注意という意味で、VVは基準と離れているという意味です。

 

しかしながら、それは杞憂で、約3週間後に届いた通知を見ると、晴れて合格してしました。

合格証は免許書サイズくらいのカード式ですが、ゴールドで格調高い作りになっています。
後日、本部に500円分の切手を添えて、B5版の合格証明書も発行してもらいました。

結果が出たことで、改めて、「面接講座を受講していて良かった」と振り返ります。