◆ 当時の漢検準1級の合格率について
私が受検した当時(2005~2006年)の漢検準1級合格率は、10~14%くらいでした。
私が受検した当時の準1級の傾向として、回によって問題の質にばらつきがあり、合格率5%の回もありました。
◆漢検準1級と2級の比較
漢検準1級と2級のレベルを比較すると、雲泥の差があるのは間違いありません。
2級は常用漢字の集大成ですが、準1級は常用外漢字に加え、表外漢字・国字なども登場します。
電子辞書で調べても出てこないような単語も多々あるため、記憶するまでには時間がかかりました。
国試などで採用されているマークシート式試験において6~7割の合格ラインに設定されている中、筆記形式で、80%(160点)の合格点を超えなければならないハードルも高く感じました。
準1級を志した当初、「一ヶ月で合格できる漢検準1級勉強法」というようなサイトや、「準1級はそれほど難しい試験ではない。一ヶ月~二ヶ月ほどで9割以上取れた」というネットの声をたびたび目にしましたが、勉強の免疫がついていない私では、短期間で合格ラインの8割に達することは、不可能でした。
受検者によって学力差やバックボーンが異なるため、準1級レベルを普遍的に評することはできませんが、私は準1級合格に到達するまでは、人生の中で最も勉強を重ねました。
それでも、世の中上には上がいますから、一ヶ月で初回合格したり、他の資格受験の傍らに受けて、9割以上取れて合格される方も少なからず存在しました。
私のように、高校・大学と推薦入試で突破してきた、長期間の勉強に慣れていない身からすれば、独学での準1級挑戦は試行錯誤の連続で、合格レベルに達するのに四カ月程度はかかりました。
準1級取得者の学歴に注目すると、みな高学歴である様子が伝わってきますが、準1級は私のように中堅レベルの大学出身で、偏差値40台の成績の者でも、学習を重ねれば合格できる試験です。
◆漢検準1級の特徴
準1級は1級同様、60~70代といった高齢層も多数受検していますし、中には小学生で合格している人もいます。
準1級は一部の業務独占国家資格等と異なり、生涯学習や一般教養を身につけるために、トライしている老若男女が多いです。
初回受検時に会場にいた、推定70代の女性の方が、
「これで4回目だけれども、毎回6割しか取れないんだよね」とぼやいていた姿をよく覚えています。
漢検は一年に一回だけの有名国家試験とは異なり、約四か月に一回、年に3回受検のチャンスがあるので、たとえ不合格になっても、短期間で再チャレンジできる点も、モチベーション維持に繋がります。
暗記を繰り返して問題をコツコツ解いていれば、必ず結果が出る「努力が形となって報われる試験」でもあります。